（人間は）常に嘘吐きで、詐欺で、裏切者で、
恩知らずで、盗人で、精神薄弱で、移り気で、
卑怯で、嫉妬深くて、大食で、酔っ払いで、
貪欲で、野心家で、血に飢えていて、中傷し、
放蕩し、狂信家で、偽善で、そして馬鹿である

　　　　　　　　　フランスの作家であり、思想家
　　　　　　　　　　　　　　　　ヴォルテール

ドクター・ジスタルがあらゆる家族を治療するようになってから、
病院が二つ取り壊された……そして共同墓地が二つ作られた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　フランスの作家にして劇作家
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　アレクサンドル・デュマ・ペール

もし人類の半数が勇敢で、半数が臆病だったら、
勇敢な者は、絶えず臆病者と闘って打ち負かしているだろう。
しかし、みんなが臆病者だから、われわれはうまくやっていける。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イギリスの詩人にして評論家
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　サミュエル・ジョンソン

「それよりお前ら、本当に俺と一緒に来るのか？」

エイガー少尉はいささか驚いていた。
本来なら形ばかりの部隊の形ばかりの指揮官だったはずなのに、
いまでは少尉と部下たちの間には新たな連帯感が生まれていた。

「えぇ、ついていきますよ」

サカキ軍曹が代表して言う。

「どうしてついてくる？
  俺についてきても、訓練しか期待できないぞ」
「構いませんよ。俺たちもちょっと考えましてね」
「何をだ？」
「砲術ってものをちゃんとした士官から学ぶのも悪くないって」


　　　　　　　　地球連邦軍　
　　　　　　　　　　航空基地の仮防衛隊六十一式戦車部隊隊長
　　　　　　　　　　　　　　　ル・ローア少尉
　　　　　　　　地球連邦軍
　　　　　　　　　　航空基地の仮防衛隊六十一式戦車部隊隊員　
　　　　　　　　　　　代表として
　　　　　　　　　　　　　　　サカキ軍曹
　　　　　　　　小説版
　　　　　　　　　　　『機動戦士ガンダム0079　ZEONIC FRONT』①
　　　　　　　　　　　　　第一章　航空基地制圧

……別に、お前を待ってた訳じゃない。
ただ、教室に戻るのも、掃除をするのも、
面倒だっただけだ。
それで、たまたまここでぼんやりしていたら、
お前が通りがかったって訳だ。
……それだけだからなッ!!


　　　　　　　　　天香學園　
　　　　　　　　　　　3-C　帰宅部所属
　　　　　　　　　　　　きみの友人　皆守甲太郎

                                       『九龍妖魔學園紀』
　　　　　　　　　　　　　　　　3rd.Discovery あの炎をくぐれ!

おとこのこにおんなのこ　あそぼうよ　ででおいで
つきはあかるい　ひるまみたいだ
ごはんはほったらかして　ねるのもやめて
とおりでなかまと　あつまろう
わいわいさけんで　おーいとよんで
いやいやくるなら　はなからくるな
はしごのぼって　へいのりこえて
パンならはんペニィも　あればたっぷり
ミルクをみつけろ　こなならまかせろ
プディングは三十ぷんで　できあがる



Boys and girls come out to play,
The moon doth shine as bright as day.
Leave your supper and leave your sleep,
And join your playfellows in the street.
Come with a whoop and come with a call,
Come with a good will or not at all.
Up the ladder and down the wall,
A half-penny loaf will serve us all;
You find milk,and I'll find flour,
And we'll have a pudding in half an hour.



                                               谷川俊太郎・訳
　　　　　　　　　　　　　　                  『マザー・グース　2』

「―――が美味しいって言ってくるから　
　作りがいがあるわ!! 　週一で作れるようになったの。　
　だから金曜日はカレーね。」
「……ありがとうございます。」 


社会的に一人前と言われる歳となって
…小生、何が何やら何故か心の汗が。
海軍ですか？いいえ、違います。 



でも明日が待ち遠しいのは事実だった 　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　週のはじめに 

真理はたいまつだ。
しかも巨大なたいまつだ。
だから、私たちはみんな目を細めて、
そのそばを通りすぎようとするのだ、
火傷することを恐れさえして


　　　ドイツの詩人であり、作家
　　　　　　　　　　　　　　　ゲーテ
　　　　　　　　　　　　　　　　『格言と反省』

座敷のなかで　大きなあつぼつたい翼[はね]をひろげる
蝶のちひさな　醜い顔とその長い触手と
紙のやうにひろがる　あつぼつたいつばさの重みと。
わたしは白い寝床のなかで眼をさましてゐる。
しづかにわたしは夢の記憶をだどらうとする
夢はあはれにさびしい秋の夕べの物語
水のほとりにしづみゆく落日と
しぜんに腐りゆく古き空家にかんするかなしい物語。


夢をみながら　わたしは幼な児のやうに泣いてゐた
たよりのない幼な児の魂が
空家の庭に生える草むらの中で　
しめつぽいひきがへるのやうに泣いてゐた。
もつともせつない幼な児の感情が
とほい水辺のうすらあかりを恋するやうに思はれた
ながいながい時間のあひだ
わたしは夢をみて泣いてゐたやうだ。


あたらしい座敷のなかで　蝶が翼[はね]をひろげてゐる
白い　あつぼつたい　紙のやうな翼[はね]を
ふるはしてゐる。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　萩原朔太郎
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『蝶を夢む』より
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　蝶を夢む

いつの頃からだろう。
僕の心と体は少しずつバラバラになってきているような気がする。
悲しいことやつらいことがあるたびに、これは自分ではないと、
他人事みたいに見つめているもう一人の自分がいるみたいだ。
大丈夫、僕はやっていけるさ･･･心をもっと体の奥の閉じ込めてしまおう。
そうすれば、体の痛みも、心の痛みも、恐怖も、
何も感じなくてすむだろう。


                              碇シンジ
　　　　　　　　　　　　　　　『新世紀エヴァンゲリオン』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　漫画版　第二巻

恋を始めた人たち、もしくは恋が終わって、
終りからまた始めたいと願っている人たちを別にして、
世の中には最初から終わっていることが非常に多いので、
始まりは終りのなり始めといえるほどである。
その結果恋をする人たちも、そうでない人たちも、
結局は裏返しにされた終りにしかすぎなくなるような
あの始まりから再び始めることになるであろう。
これは終りも始めもない永遠に等しい始めかたであり、
また最後には、終りがどこで始まり、
始まりがどこで終わるか、もはやわれわれに区別が
つかなくなる地球の自転と同じになるであろう。
これは不貞なるものによって限定されている
無限のあらゆる最後の始まりに等しいすべての
始まりのすべての終りなのである。
――墓碑銘は序文と等しく、その逆も
また同じ所以である。


　　　フランスの賞揚と象徴の詩人
　　　　　　　　　　　　トリスタン・コルビエール

人間はだれしもみんな、灰色の魂を持っている
･･････だから、ちょっと紅をさしたがるのさ･･････


　　　　　　　　　　　　　ゴーリキイ
　　　　　　　　　　　　　　　『どん底』


 

人間死ぬまでは、幸運な人とは呼んでも
幸福な人と申すのは差控えねばなりません。

　　　　　　　　　　　　　　　ヘロドトス
　　　　　　　　　　　　　　　　　『歴史』