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名文/名言/名台詞の乱雑抜粋掲載電波系BLOG。 と言うかただ自分の好きな奴を載せてるんです。 気まぐれ気まま気の向くままに。 出典は問わないのです。 あと役に立つとか立たないとかもどうでもいくないですか。 管理者の名前がなんか変わりましたが 同一人物です。 残念ながら。 人間そう変われないもんです。 よろしい方向には。 最近本を読んでいないために更新ペースがノミです。 -cation- Librisはデスクトップゴーストの一種です。 サプリメントはLibrisにD&Dすることに よってインストール出来るゴーストです。
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花は咳をした。でも風邪のせいではなかった。

「わたし、ばかだった」とうとう花が行った。
「ごめんなさい。幸せになってね」

ひとことも責められなかったので、王子さまは驚いた。
そしてその場に立ちつくした。
すっかりとまどい、ガラスのおおいも宙ぶらりんになった。
このおだやかな静けさの意味が、わからなかった。

「そうよ、わたし、あなたを愛してる」花が言った。
「知らなかったでしょう、あなた。
  わたしのせいね。どうでもいいけれど。
  でも、あなたもわたしと同じくらい、ばかだった。
  幸せになってね……そのおおいは置いといて。
  もう、いいの」
「でも風が……」
「風はたいしたことないわ
  ……ひんやりとした夜風はからだにいいし。
  わたし、花だもの」
「でも獣が……」
「蝶々とお友だちになりたかったら、毛虫の二匹や三匹
  がまんしなくちゃね。とってもきれいなんでしょう。
  だってほかに誰が尋ねてきてくれるかしら?
  あなたは遠くへ行っちゃうし。
  大きな獣も、ぜんぜんこわくない。
  わたしだって、爪があるわ」

花は無邪気に、四つのトゲを見せた。
そうして言いたした。

「さあ、いつまでもぐずぐずしないで。いらいらするから。
  行くって決めたらのなら、もう行って」

でもそれは、泣くのを王子さまに見られくなかったからなのだ。
ほんとうに、プライドの高い花だった……


                        
                       『星の王子さま』
                        サン=テグジュペリ
                         *新潮文庫
                          河野万里子 訳


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