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名文/名言/名台詞の乱雑抜粋掲載電波系BLOG。 と言うかただ自分の好きな奴を載せてるんです。 気まぐれ気まま気の向くままに。 出典は問わないのです。 あと役に立つとか立たないとかもどうでもいくないですか。 管理者の名前がなんか変わりましたが 同一人物です。 残念ながら。 人間そう変われないもんです。 よろしい方向には。 最近本を読んでいないために更新ペースがノミです。 -cation- Librisはデスクトップゴーストの一種です。 サプリメントはLibrisにD&Dすることに よってインストール出来るゴーストです。
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ものみな金色にかがやく午(ひる)下り
ぼくらの舟ときたらのんびりもいいところ
オール日本はまだへたくそな
おさない腕にゆだねられて
水先案内だって小さな手では
なかなか思うにまかせやしない


ああつれない三人! こんなとき
こんな夢見ごこといのたまゆらに
息つくのもやっとなけだるいわたしに
むりやりお話をせがむなんて
とはいえ所詮ひとりの声が
三人がかりのおねだりにかなうものか


えらいお姉さまは有無をいわせず
「さあはじめて」と命令口調
二ばんめの方がまだお手やわらかに
「おかしいのにしてね」とのご所望
下のこときたら一分おきに
話の腰をおってばかり


それもたちまち静かになった
一同はなしにひきずりこまれ
夢の子のあとを追ってさまよう
見たこともない不可思議千万の国
鳥けものともむつまじくことばを交わし――
なかば本気で信じこみながら


やがて話は種切れになり
空想の泉も涸(か)れはてて
つかれた話し手はひといき入れたく
「あとはこの次」とたのむのだけれど
「いまがこの次!」と
ほがらかな声が口々にさけぶ


こうして「不思議の国」の物語はできた
こんなゆっくり小槌でひとつひとつ
おかしな事件を打ちだすようにして
さあお話はこれにておしまい
ぼくらのたのしいクルーは家路をめざす
おちかかる夕日の下を



アリス! このたわいない話をうけとり
その手でそっとしまっておいておくれ
思い出の神秘な絆のなかに
子供の日の夢が綯(な)いまぜになったあたりに
巡礼たちが遠い国で摘んできた
とうに萎れてしまった花冠のように



                 『不思議の国のアリス』
                      ルイス・キャロル
                       新潮文庫
                        矢田澄子 訳




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どうもどうも
やあどうも
いつぞや
いろいろ
このたびはまた
まあまあひとつ
まあひとつ
そんなわけで
なにぶんよろしく
なにこのほうは
いずれなにして
そのせつゆっくり
いやどうも


                         谷川俊太郎
           「ごあいさつ」




――君の最愛の者は誰か、謎の男よ、告げよ?
   父か、母か、妹か、はた兄か?
――父も、母も、妹も、兄も、僕にはないよ。
――友人か?
――君のいうその言葉の意味を、今日まで僕は知らなんだ。
――祖国をか?
――僕は知らない、地上いずこにそれが在るか。
――では、美女か?
――愛しもしようさ、女神のようにつつましく、不死の美女なら。
――そんなら金か?
――僕はそいつを憎む、君が神を憎むように。
――そんなら君は、何を愛するのか、風変わりな異人よ。
――僕はあの雲を愛する……、
      遠くみ空を流れ行くあの雲を……、
   すばらしいあの雲を!



                      ボードレール        
                          「異人」
                           *堀口大學訳





常に酔っていなければならない。
そここそは一切、それこそ唯一の問題である。
汝の両肩を圧し砕き、何時を地面の方へと圧し屈める。
怖るべき時間の重荷を感じまいとならば、
絶えず汝を酔わしめてあれ。


さらば何によってか?


酒によって、詩によって、はた徳によって、
そは汝の好むがままに。
ただに、汝を酔わしめよ。

もし時として、宮殿の石階の上に、濠端の緑草の上に、
或は室内の陰鬱なる孤独の中に、
汝が眼醒め、既にして陶酔の去って消えゆく時の、
かのすべて過ぎゆくもの、嘆息するもの、
流転するもの、歌うもの、語るもの、
風に、浪に、星に、鳥に、大時計に、問え、今は何時であるかと。
その時、風と浪と星と鳥と大時計とは何時に答えるであろう、


「今こそ酔うべきの時なれ!
 虐げらるる奴隷となって、時間の手中に堕ちざるために、
 酒によって、詩によって、はた徳によって、
  そは汝の好むがままに、酔え、絶えず汝を酔わしめてあれ!」






                    ボードレール
                     『巴里の憂鬱』
                            酔え
                         *新潮文庫
                           三好達治訳


 



おまへはもう静かな部屋に帰るがよい。
煥発する都会の夜々の燈火を後に、
おまへはもう、郊外の道を辿るがよい。
そして心の呟きを、ゆつくりと聴くがよい。


                     中原中也
                      未発表詩より




人家は地面にへばつて
おほきな蜘蛛のやうに眠つてゐる。
さびしいまつ暗な自然の中で
動物は恐れにふるへ
なにかの夢魔におびやかされ
かなしく青ざめて吠えてゐます。


 のをあある とをあある やわあ


もろこしの葉は風に吹かれて
さわさわと闇に鳴つてる。
お聴き! しづかにして
道路の向ふで吠えてゐる
あれは犬の遠吠えだよ。


 のをあある とをあある やわあ


「犬は病んでゐる? お母さん。」
「いいえ子供
  犬は飢ゑてゐるのです。」


遠くの空の微光の方から
ふるへる物象のかげの方から
犬はかれらの敵を眺めた

遺伝の 本能の ふるいふるい記憶のはてに
あはれな先祖のすがたをかんじた。

犬のこころは恐れに青ざめ
夜陰の道路にながく吠える。


 のをあある とをあある のをあある やわああ


「犬は病んでゐる? お母さん。」
「いいえ子供
  犬は飢ゑてゐるのです。」







                  萩原朔太郎
                     『青猫』
                       遺伝





兵隊どもの列の中には、
性分のわるいものが居たので、
たぶん標的の図星をはづした。
銃殺された男が、
夢のなかで息をふきかへしたときに、
空にはさみしいなみだがながれてゐた。
『これはさういふ種類の煙草です』




               萩原朔太郎
                『月に吠える』
                 贈物にそへて






この見もしらぬ犬が私のあとをついてくる、
みすぼらしい、後足でびつこをひいてゐる
不具[かたわ]の犬のかげだ。
ああ、わたしはどこへ行くのか知らない、
わたしのゆく道路の方角では、
長屋の家根がべらべらと風にふかれてゐる、
道ばたの陰気な空地では、
ひからびた草の葉つぱがしなしなとほそくうごいて居る。


ああ、わたしはどこへ行くのかを知らない、
おほきな、いきもののやうな月が、
ぼんやりと行手に浮かんでゐる、
さうして背後[うしろ]のさびしい往来では、
犬のほそながい尻尾の先が地べたの上を
ひきづつて居る。


ああ、どこまでも、どこまでも、
この見もしらぬ犬が私のあとをついてくる、
きたならしい地べたを這ひまはつて、
わたしの背後[うしろ]で
後足をひきづつてゐる病気の犬だ、
とほく、ながく、かなしげにおびえながら、
さびしい空の月に向つて遠白く吠える
ふしあはせの犬のかげだ。




                  萩原朔太郎
                   『月に吠える』
                     見しらぬ犬





まつくろけの猫が二疋、
なやましいよるの家根のうへで、
ぴんとたてた尻尾のさきから、
糸のやうなみかづきがかすんでゐる。
『おわあ、こんばんは』
『おわあ、こんばんは』
『おぎやあ、おぎやあ、おぎやあ』
『おわああ、ここの家の主人は病気です』



                               萩原朔太郎
                  『月に吠える』
                       猫




天井に 朱きいろで
  戸の隙を 洩れ入る光、
鄙びたる 軍楽の憶[おも]ひ
  手になす なにごともなし。


小鳥らの うたはきこえず
  空は今日 はなだ色らし、
倦んじてし 人のこころを
  諌めする なにものもなし。


樹脂の香に 朝は悩まし
  うしなひし さまざまのゆめ、
森並は 風に鳴るかな


ひろごりて たひらかの空、
  土手づたひ きえてゆくかな
うつくしき さまざまの夢。



                  
                   中原中也
                     朝の歌







座敷のなかで 大きなあつぼつたい翼[はね]をひろげる
蝶のちひさな 醜い顔とその長い触手と
紙のやうにひろがる あつぼつたいつばさの重みと。
わたしは白い寝床のなかで眼をさましてゐる。
しづかにわたしは夢の記憶をだどらうとする
夢はあはれにさびしい秋の夕べの物語
水のほとりにしづみゆく落日と
しぜんに腐りゆく古き空家にかんするかなしい物語。


夢をみながら わたしは幼な児のやうに泣いてゐた
たよりのない幼な児の魂が
空家の庭に生える草むらの中で 
しめつぽいひきがへるのやうに泣いてゐた。
もつともせつない幼な児の感情が
とほい水辺のうすらあかりを恋するやうに思はれた
ながいながい時間のあひだ
わたしは夢をみて泣いてゐたやうだ。


あたらしい座敷のなかで 蝶が翼[はね]をひろげてゐる
白い あつぼつたい 紙のやうな翼[はね]を
ふるはしてゐる。




                  萩原朔太郎
                    『蝶を夢む』より
                       蝶を夢む


花やかな月が空にのぼつた
げに大地のあかるいことは。
小さな白い羊たちよ
家の屋根の下にお這入り
しづかに涙ぐましく動物の足調子をふんで。


                 萩原朔太郎
                    『蝶を夢む』
                         家畜





おお、シェリフよ、彼はペテン師だ
そうだ有名な ペテン師だ
おお、シェリフよ、彼はペテン師だ
そして私もペテン師だ
彼は君の友達のふりをする
ほんとの善人のふりをする
しかし、諸君御用心
彼は君を豚箱へ放りこむぞ


                出典不明



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自己紹介:
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